「............え、多す......、」



お姉ちゃんが、
〝多すぎ〟そう口にする前に。



「ちょっと、この子借りるわ」



そう言うと、
あっという間に、上着と私の腕を引いて。



足早に、玄関に向かって、
──────そのまま家を出た。



まるで、察してくれているかのように。



今まで、こんな人いたかな............?



思い返してみてもそんな人いなくって。



ぎゅうっと、心が温かくなるのが分かる。



(このまま、どうするんだろう.........?)



そう思っていると。



歩きながら見える景色は、
高級ホテルが立ち並ぶ地域。