(こっ、答えられるわけないのに......っ、)



そう、心の中で思っていると。



「さぁ、知らね」


手元のビールをひと口飲んでから、
下手に隠すわけでもなく、サラッと答えた。



すると........................



「............知らないって、あんたねぇ、」



私のヒーローである男の子を、
ギロッと睨む、お姉ちゃんの顔。



(まっ、まずい!
これは怒ってる時のお姉ちゃんの顔っ!)



そう思って、
ギュッと、男の子の服の裾を握ると。



──────その瞬間。



「会費、これで足りる?」



テーブルの上、どーんと置かれた3万円。