「いや、京介には聞いてない。
俺は、小原の妹ちゃんに聞いてんの」



まるで、
どこかの国の王子様のような瞳。



その瞳に、
──────ドクンッと。



心臓が大きく動くのがわかる。



「..................っ、」



それと同時に、
私のすぐそばには京介さんの不安げな顔。



(言っても............いいのっ?)



私が〝本心〟を言うことで、
お姉ちゃんとの関係も気になってしまって。



グッとこぶしを握ると。



「そんな、握ると、血出るよ。
大丈夫だから、ちゃんと言って」



気づかれないと思ってた動作すら。



見破って、
ほんの少し歩いて近づいてきた男の子。