日向「椎名!!」


上を見ると、椎名先生が左手を抑えて顔を歪めている。


何が起こったのか、自分がやったはずなのに、わからない。

なに、なに、、どういうこと。わかんないよ。


知らぬ間に溢れ出てきた涙が止まらない。


瑛杜「絃ちゃん、大丈夫やで。一回ソファ行こな。頭の確認しよう」



そっか。ここにいるのはお医者さんと看護師さんだ。


瑛杜先生と絢杜先生が私を、日向先生と悠と夏くんが椎名先生を診察した。


私は何回も同じ質問をされたり、絢杜先生の指を目で追いかけたり。

椎名先生は傷口を確認すると、すぐに部屋を出て行った。



瑛杜「大丈夫やで。絃ちゃんな、自分で気付いてへんと思うけど、熱出てんねや。椎名は大丈夫やから今は飯食うて寝とき」


いつもの数倍優しい顔、声をしている二人は、私を心配させないようにしているのがわかる。

でもやっぱり、自分に、椎名先生に何があったのかわからなくて、恐怖で涙が止まらない。




瑛杜「大丈夫やで。ゆっくり息整えよな」