「昨日、、小麦と、進くんと駅前に行ったんです。結構暗くて、多分9時とかなんですけど、悠が女の人と歩いてて、それに二人が気づいて私に聞いてきたんです。あれ、悠の彼女さん?って」


日向「…そっかぁ。俺も知らなかったな。俺たちも知らないなら絃ちゃんは知るわけないよな」


慈良「悠は何も言わなかった?例えば、誰かと飲みに行く、とか」


「ううん。遅くなる、って言ってただけ」


日向「よし、わかった。俺が悠に聞いてあげる。絃ちゃんも嫌だったな。こういう時は嫌って思っていいし、言っていいんだよ。一人で悩んじゃダメだぞ」


日向先生の大きな手のひらが頭を撫でてくれる。

その手はくすぐったくて、でも、離してほしくなかった。何か懐かしいこの感覚はなんだろう。

日向「あら、絃ちゃん、今日は甘えん坊さんかな?料理も掃除もしてくれてたんだ。部屋で少し寝ときな。みんなが帰ってきたら起こしてあげるから」