とりあえず何かしなきゃと思い、部屋の掃除、洗濯、洗い物、と一つずつ家事をこなしていく。

先生たちが来るならご飯も用意しておかなきゃ。





結局、なんやかんやしているうちにもう夕方。


早くに帰って来れるなら、悠はそろそろ。
先生たちもそれに続いて帰ってくる。


そんなことを思っていると、ふと、玄関の鍵が開く音がした。

悠が帰ってきた。


そう思っていたのに、リビングに入ってきたのは夏くんと日向先生。

「あ!やっぱり絃ちゃんいたんだね!」

「お邪魔するね。え!ご飯作ってくれたの?」


「はい、、」


日向先生と夏くんが何事も無いように家の中を歩くもんだから、自分の家ではないのかと錯覚する。
でも、この感覚も久しぶり。

慈良「絃ちゃん、今日どこか行ったの?」


「…行ってない」


慈良「そっか!お家のことしてくれてたんだね。ありがとうね」


日向「絃ちゃん、体どう?ちょっともしもししてもいいかな?」



この人たちが悠から何も聞いてないなんて、ありえない事だよね。
だから、日向先生も診察しようとしてるし、夏くんも診察補助の姿勢になってる。

日向「こっちおいで。そう、そこ座ってね」


嫌だけど、2、3分で終わるから。ここは素直に受けておく。


日向「……うん、いいよ。ありがとう。」

ステートを鞄にしまった日向先生は、いつもなら、テレビをつけてみんなが来るまでゲームをしてる。いつもなら。

今日はソファに座る私の横に座り、ちょっとおはなししよう、と優しいけど真剣な顔。