物音がして、顔になにかが触れた気がして目が覚めた。


「お、起きたね。おはよう」


…っ、！


「どうしたの、急に怖い顔して。昨日夕飯食べなかったでしょ？電話にも出なかったし。体調悪い？」


「……なんでもない。」


「そっか。もしもしするからちょっと待ってね」


「いや、いい。大丈夫だから」

悠の手を押しのけてリビングに出ると、


「待って、いと」

私を追いかけて部屋を出た悠は私の手首を掴んで向き合うように振り向かせた。


「何、やめてよ」


「どうした？学校で嫌なことあった？それとも、僕がなにか嫌なことしちゃった？」



「っ、？！そんなの、！そんなの……もう離して。今日は、出かけるからっ、！」


「出かける？どこに？誰と？何時に帰ってくる？」


「べつに誰でもいいでしょ！？離してよ！」