「違うの……今日ね、夜星先生が来て、採血しよって言われたけど、嫌だったの。怖いし、腕、見て欲しくなかったから、手を毛布にしまったら、なんか、また泣いちゃったの。泣きたくないのに、泣いちゃって、夜星先生に怒られそうで怖かったの…」


涙ながらに、言葉を詰まらせながら言ういとの本音には胸が締め付けられる。
怖くても、苦しくてもSOSが出せなかったいと。僕が少しでもそばにいてあげていればここまで抱えることはなかったのではないか。何度同じミスをすれば気が済むものなのか。

なのに、自分に自信がある訳じゃないけど、いとの弱音は僕だけが聞きたい。

この子は、僕が守りたい。


「いと、ずっとしんどかったね。気付いてあげられなくてごめんね。」


「ねぇ、、」


「うん?」


「……悠が、採血して」


「僕でいいならもちろんやるよ。でも、今ケーキ食べちゃったからね、明日の朝やろっか」


「うん。明日の朝、悠、来てね」


「うん。来るよ。あのね、いと」


「、な、に?」


「辛い時は辛いって言ってくれていいんだよ。それだけ、約束できる?」

簡単そうに聞こえるが、実はこれがいちばん難しい。そんなの僕が一番わかってる。

「……だって、、だって、悠と全然会えないんだもん、、!悠は、悠はさ、」