「絃ちゃんストップ!夏くん点滴の針持たせないで!このちゃん上宮先輩と唯弦呼んで!悠先生止血!」


みんな、やめてよ。もういいよ。


「絃ちゃん大丈夫だよ。しんどいよな。俺たちがいるからな」


そうじゃない。もうその、押さえつける手を離して欲しいの。ここにいたくない。

何も分かってくれない。


なんで。なんでよ。


「やなの!!触らないで!」





私、こんなに、おっきい声、出るんだ。


シンとした病室には、私と、夜星先生と、悠と、上宮先生と、瀬堂先生と、夏くんとこのちゃん。


夜星先生が押さえていた力を一瞬緩めたから、その瞬間に起き上がる。

だけど、動けなかった。