籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

初めて見る玲の姿に戸惑った。


…でも。

嫌じゃなかった。


わたしも“もっと”と、気づけば玲を求めて受け入れていた。


こんな夜がずっと続けばいいのに。


そんなことを考えてしまっていた。


そのあとも、わたしは一晩中玲のそばに寄り添っていた。

こまめに汗を拭き、氷枕も取り替えて。


そして、あっという間に夜明けが訪れ、玲の部屋に朝陽が差し込み始めた。


「…美鳥、…美鳥……」


うわ言のようにわたしの名前を呼ぶ玲の手をぎゅっと握りしめる。


「玲、わたしならここにいるよ」


眠る玲にそっと語りかける。



* * *



「…ん……、朝か…」


しばらくすると、玲が目を覚ました。

そしてすぐに、横にいたわたしに気づく。


「まさか、…ずっとここで起きてたのか!?」