そう言われてハッとした。
振り返れば神楽さんの姿はもう無くて。
たぶん、どこかで、あたし達のことを見守ってるんだろうなぁって思った。
「行こ」
衣吹さんに再び腕を引かれて、あたし達はいろんな専門店に入ったんだ。
♢♦︎♢♦︎♢
「ちょっと休憩しない?」
両手に沢山の袋を持った衣吹さんがスマホを取り出す。
「やっぱもうお昼過ぎてる。フードコートで何か食べよーよ」
そう言えば、ちょっとお腹空いてきたかも。
なんて思った瞬間。
グゥゥゥ……。
ぅえっ……!!
デジャブ。お腹が鳴ってしまった。
「あははっ、お腹空いたね。行こっか」
恥ずかしかったのに、衣吹さんに全部笑い飛ばされて。
また、あたしの手を引いて歩き出す。