「俺は羽瑠のボディガードなので、少し離れた場所にいます。なので、お2人で楽しんできてください」


え……。

って言うことは、神楽さんはひとりぼっち……。


「一緒に来ないんですか……?」

「何かあったらすぐ駆けつけるから」


……そっか……。


神楽さんが頭を下げたのが合図だったのか、衣吹さんはあたしの腕を引いて歩き始めた。



「可愛い。シュンとしちゃって」

「えっ……」


ドキッとした。

あたし、そんな顔してた?


「神楽にだいぶ心許してるんだね?寂しいんだ?」


ポポポッと赤くなる顔に、衣吹さんがクスリと笑った。


「神楽の気持ちも読み取ってあげて?ボディガードだからって、そばで私達の会話を聞いたり、可愛いお店に入ったりするのはキツいと思うの」