「ヒート安定してないんだろ?多分、それもあって匂いもそんなに濃くねぇからこれくらいなら問題ない」


なんだかもう……頭が、上手く回らないかも……。


「部屋まで運ぶから大人しくしてろよ」


スーツを着ている神楽さん。

そのせいで肌の面積が少なめだけど、首のスジのところがやけに色っぽく見える。


神楽さんの首に顔を近づけて。

スンッと匂いを嗅ぐ。


神楽さんの匂い、優しくて、甘くて……いい香り。



「言ったそばからこいつは……」







   ♢♦︎♢♦︎♢


抑制剤を飲んで、布団の上で横になるあたし。

抑制剤を飲んだからってすぐに薬が効くわけじゃない。



身体が熱くて苦しくて。

しんどい……。


不意にあたしのおでこに誰かの手が触れて、少しだけ目を開けると神楽さんがいた。