「悪いな。嬢ちゃん」
話が進まないからな。
トンッと首に刺激を与え、そのまま眠らせた。
「これはかなり重症ですね」
「……ああ」
ゆっくりと畳の上に寝かせ、頬骨が出ている少女の顔を見つめる。
「多分、飯も充分に与えられてないんだろう」
「肋骨……やばかったよ……」
こんな子が本当に存在するなんてな……。
「この娘はこっちで預かる」
「大丈夫なの?」
「目が覚めて、またあんな風になったら困るだろ」
「……そうだね」
「神楽、至急頼むぞ」
「はい」
少しでも、この少女の素性がわかればいいんだが……。
「ねぇお父さん」
珍しく神妙な顔をする衣吹。
「どうした?」
「直感って言うか、何となくなんだけど……あの子、私と同じかもしれない」