「今から行くか?」
「はいっ……!あ、抑制剤……」
そう言えば昨日、寝る前にスカートから出したんだった。
夜、風が強くて窓がガタガタと鳴ってたから、その音が誰かが近くにいるんじゃないかって思って。
怖くて、自分を守るために抑制剤を飲もうとしたんだけど気付いたら朝になっていた。
「部屋だよな?じゃ、それ取りに行ったら出るか」
「ご、ごめんなさいっ……あたしが忘れちゃったから二度手間───……」
ドクンッ
心臓が大きく跳ねた。
「っ!?」
ドクンドクンと早くなる心臓に、あたしは力強く胸を押さえる。
嘘っ……。
このタイミングで……ヒートが来るなんてっ……!
「……っ……」
部屋に戻らなきゃいけない。
誰も近づけちゃいけない。