俯いたままの羽瑠は箸を持ったまま動かなくなった。


「……っう……」

「どうした?」


羽瑠のそばに行こうとして、片膝を付いたままその動きを止めた。


俺の事を嫌ってる羽瑠に無闇に近付くことは出来ない。

これ以上怖がらす訳にはいかねぇし、それに……。


泣いていた。羽瑠が。



そのまま座って、俺は再び飯を食べ始めた。



「うめぇだろ?姐さんが作ったもの」


俺の言葉に小さく頷く羽瑠。


「腹いっぱい食えよ。何も我慢するな」


涙をボロボロと溢す羽瑠はぐちゃぐちゃに泣いていた。


羽瑠が追ってる心の傷は、俺がわかろうとしてもあいつにしかその傷はわからないだろう。


羽瑠の心の傷を少しでも癒すのが俺の頼まれた仕事だと思う。



そう簡単に羽瑠が心を開くとは思わねぇけど……少しづつ知っていこう、羽瑠のことを。