絶対あいつ食わねぇだろうし。


だったら一緒に食った方がマシだ。

気が紛れる。



「ふーん?じゃあ僕があの子の分よそいますよ」

「ああ、悪いな。少なめで頼む」

「はーい」







   ♢♦︎♢♦︎♢


「羽瑠、飯持ってきた。入るぞ」


襖を開け、盆を持ったまま部屋に入る。

1つは出入り口の近くに、もう1つは部屋の真ん中に置く。



「生姜焼きだ」


見ればわかるがあえてそう口にして、出入り口近くに腰を下ろす。


「あり、がと……」


……なんだ。

言えるじゃん。礼。


後はもう放っておくから好きなタイミングで食べてくれ。


そう思って、俺は早々に1人で食べ始める。



見てないように見せかけて羽瑠を確認する。


俯いたまま……やっぱ食わねぇか。