後は衣吹に任せよう。


ふぅ、と息を吐き上着を脱ぐ。



「調べます?」

「ああ。神楽(かぐら)は帰ってきてるか?」

「いえ。まだなようで」

「そうか、神楽が帰ってきたら伝えておいてくれ。俺が呼んでると」

「はい。承知しました」








   ♢♦︎♢♦︎♢


自室にて、誰かの気配を感じた。


「神楽、ただいま戻りました」

「ご苦労。入ってこい」


スッと襖が開き、一礼する神楽。


「失礼します」


神楽の姿を見て思わず目を見開いた。

いつもの姿って言ったらそれまでだが、スーツには返り血を浴び、どれだけ暴れてきたのか一目でわかる。

黒髪だからわからんが、髪にも返り血が付いてるんだろう。



「またお前は……加減を知らんのか」

「……」

「まぁいい。調べて欲しいやつがいるんだ」