「あれっすね。俗に言う、権力を使った“裏口入学”。でも入学じゃないから……“裏口届”?」
「バカは黙ってろ」
情報のことなら抜群なのに、こいつといたら時々頭が痛くなる。
「組長もそんなこと出来るんだったら調べてくれてもよかったのに」
死亡届が出された奴を調べるのがどれだけ大変だったか。
「本当っすよねー。死亡届の事を知った時は詰んだかと思いましたよ」
その時の事でも思い出しているのか、後藤は空を眺めていた。
「しかもその少女のボディガードになったんですよね?大丈夫なんですか?」
「大丈夫な訳ねぇだろ」
あいつ、明らかに俺を毛嫌いしている。
まともに目を合わさなければ話もしない。
なのに生きる意味を教えろって?
そんなの全人類の課題だろ。
俺も知りてぇよ。