「あっつ……」


炎天下の中、ちんたら煙草なんか吸ってたらぶっ倒れる。

じんわりと汗をかき始めた身体に、もう限界だとポケットから携帯灰皿を取り出した。



「次に行きそうな場所わかったぞ」


車のドアを開けた瞬間、そんな声が聞こえて中に急いで乗り込んだ。


「え、どこですか?」

「この辺転々としてるだろ」


そう言って神楽さんはスマホに入ってる地図アプリを見せてくれた。


「何か気付かねぇ?」

「えっと……?」


やべ、全然わかんねぇ。



「ったく、バカかおまえは」


そう言われるのはいつもの事。

怒鳴られるんじゃなくて、どちらかと言えば呆られた方。


でも神楽さんはちゃんと教えてくれる。


あいつらが行ったその店にはどうやら共通点が有り、まだ荒らされていないそこを狙えば出会える───と。



店の開店時間まで身を隠し、やつらが来るのを待っていると……ビンゴ。

早々に防犯カメラに映っていた2人組が姿を現した。