「うん、全然大丈夫。羽瑠が注意をそらしてくれたから助かったよ。ありがとう」
「い、いえ……」
羽瑠が恥ずかしそうに顔を逸らした。
こー言う子がいるとほんと新鮮だなぁ。
この組は“純粋”って言葉が無縁だから。
「後藤。飯食ったら俺の所に来いよ」
ん?
この声のトーンからして……。
「何かあったんすか?」
「俺達の名前を使って悪さしてる奴がいる」
「え。僕ならまだしも、神楽さんの名前を使うなんて命知らずの人もいるんですね」
なんて冗談っぽく言ってみたら見事にスルーされる。
「被害はそんなに出ていないらしいが……詳しい内容は後で話す」
「わかりました」
神楽さんに一礼して居間に行く。
とりあえず飯をよそって席に着き、食いながら思考を巡らせた。