♢side 後藤♢
今日は僕から見た神楽さんの話をしようと思う。
今更言わなくてもわかってると思うけど、神楽さんは人望が厚い。
みんなから尊敬されてるし、組長からも期待されるほど。
そんな人が僕の兄貴分なんだと思うと鼻が高い。
柊さんも神楽さんと同じで次期組長候補だけど、僕は断然神楽さん推しだ。
「あ。おはようございます」
「後藤さん、おはようございます」
居間に行く途中。
中から神楽さんと羽瑠が一緒に出てきた。
2人はいっつも朝食取るの早いよな。
ま。羽瑠が姐さんの手伝いをしてるってのもあるけど。
「?」
羽瑠が僕の顔をジーッと見る。
もしかしてこの前桐龍組やられた傷見てる?
思い返せば、あれはちょっと恥ずかしかったなぁ。
「怪我……大丈夫ですか……?」
ほら。やっぱりその事だ。