「今か」

「……?」


神楽さんがあたしの頬に触れると、ドキッと心臓が跳ねた。


「今症状が出てる。辛い……?」


症状……?

ああ、そうだ……あたし、薬……飲んでたんだ。


じゃあ……頭がボーッとするのは、のぼせたからじゃ………。



「身体が熱い……」

「風邪に当たるか?」


エアコンの設定ボタンを押す音が聞こえると、ひんやりとした風があたしの頬を撫でた。


気持ちいい。


だけど、違う。

それだけじゃ……足りない。


全然足りない。




「身体の奥が……熱い……」


訴えるように神楽さんの腕を掴めば、身体がふわりと中に浮いた。

あたしを抱えたままベッドに移動して、優しく下ろすと、そのまま組み敷くように跨った。




「んっ」


チュッと唇が重なって。

何度も何度も角度を変えながらキスをする。