「もうっ……!変な冗談はやめてくださいっ」
心臓に悪いから。
と、そこまでは声に出さなかったけど、わかりやすく頬を膨らました。
「半分は冗談じゃないよ」
「……え、」
「薬の効能がわからない分、1人にできねぇから。もし風呂入ってる時に出たらどうする?」
「あ……」
そう言われてしまえば、尤もらしすぎて何も言えなくなる。
あたしはただ恥ずかしいって言う気持ちだけで、一緒に入ることに抵抗があったから。
「羽瑠が石のように固まったから今回は冗談にしとく」
“今回は”って言う言葉がすごく怪しいけど……、今はその言葉を素直に受け止めよう。
「ほら。行ってきな」
ホテルのパジャマを手に取り、あたしは急いでバスルームに向かった。
途中、躓きそうになれば背後の方で小さく笑う声が聞こえて。
うぅ……。
動揺してるのバレバレ。