家族……。
その言葉をもう一度繰り返せば、何か、糸のようなものが切れた気がした。
涙がどんどん溢れて止まらない。
桜夜組はあたしにとって大切で、掛け替えのない存在。
仲間じゃなくて、それ以上の……あたしの……家族……。
「恩とか借りとかそんなの別にいらねぇんだよ」
「そうよ。そこにあるのは無償の愛だもの」
「い、衣吹さん……!」
気付けば衣吹さんがあたし達のもとに来ていた。
ううん。
衣吹さんだけじゃない。
敦雅さんも千葉さんも。
みんな集まっていた。
「そもそも借りとか作った覚えねーし。自惚れんな」
相変わらず素直じゃない敦雅さん。
だけど今だけは……敦雅さんらしくて、嬉しく思う。
「じゃあ、みんなで一緒に帰りますか。羽瑠さんが大事に思っている家に。誰1人欠けずに」
千葉さんの言葉にみんなで頷いた。
目標はただ1つ。