「やめて!!」
思いっきり体当たりをしたあたしは、若頭と一緒に地面に倒れ込んだ。
「いってぇ……」
あたしが身体を起こすより先に若頭が起き上がった。
そしてあたしの身体を乱暴に扱うように胸ぐらを掴んだ。
「何してくれてんの?」
冷ややかな眼差しが向けられて、あたしを掴む腕に力が入れば息が苦しくなる。
「うっ……」
だけど、これでいい。
少しでもあたしに意識が持っていかれたのなら本望。
「ごと……さ、にげ……て……」
「死に急ぎたいらしいね?ならお望み通りあんたから叶えてやるよ……!」
「うっ……」
また力を入れたのか、息が出来なくて徐々に苦しくなる。
意識が遠のいて行く寸前に鈍い音が聞こえた気がして。
気付けば神楽さんがそばにいて、若頭は地面に叩きつけられていた。
「羽瑠!おまえ言うこと聞けねぇのかよ!」
「ぼ、僕のせいです……!羽瑠は僕を助けようと……」