考えるよりも先に身体が動いていた。


ただひたすらに神楽さんを守りたくて。

だけど間に合いそうになくて。



「ダメーーー!!!」


近くにあった棒をその人に向かって力一杯投げた。


棒は当たらなかったけど、あたしの声で背後にいた人に気付いた神楽さんは、それを綺麗に交わして一撃でやっつける。



「何で来た。あっちにいろって言っただろ!」


怒鳴りつけられ、肩がビクッと上がる。

今日の神楽さんは戦闘モードに入ってるせいか今までにないくらい怖い。


純粋に神楽さんの怖さに涙が出そうになり、その場に立ち尽くしていると。



「羽瑠さん!後ろ!!」


千葉さんの切迫詰まった声に振り返ると、木の棒を手に振り被った姿が見えた。



「っ……!」


やばいっ。

やられる……!