覇気と覇気がぶつかり合えば、空気に割れ目が出来たかのようにビリビリと電気を走らせながら弾ける。


とてもじゃないけど近付けるような状態じゃない。



「羽瑠!お嬢!こっちへ……!」

「ご、後藤さん!」


どこからかやって来た後藤さんに驚きつつも、衣吹さんと一緒にそっちに向かう。


連れてこられたのは神楽さん達から死角になる場所。

近くに外に出られる扉もあるから、何かあったら逃げることも出来そうで安心して隠れることが出来る。


「危ないのでこちらで身を隠しておいてください」

「後藤は?」

「僕も神楽さん達の援護をします。今、柊さんと千葉が下っ端の奴等の相手をしているので」


後藤さんはあたし達に一礼して、神楽さん達のもとへ向かった。

だけど甲高い激しい音が響き渡るから心配で心配で。


ほんの少し覗けば衣吹さんに腕を引かれた。




「羽瑠ちゃん体調は?」

「今は、なんとも……」