「よし、決まりだな。羽瑠。今日からおまえはウチの家族だ」
「やったぁ!よろしくね、羽瑠ちゃん」
ギュッとあたしを抱きしめる衣吹さんは本当に嬉しそうで。
組長も、衣吹さんも……あたしにはもったいないくらい優しい人。
「じゃあ俺はいろいろやる事があるから、神楽。おまえ羽瑠に生きる意味を教えてやってくれ」
「……は?」
組長の突然の言葉に『神楽』と呼ばれている人が困惑して、あたしも同じように目を丸くする。
「羽瑠の正体を知っているのはここにいる3人だけ。羽瑠を他の連中から守り、世界を教える。こいつは境遇のせいで見えてないものが多すぎる」
「……お言葉ですが、俺よりお嬢の方が適任では?懐いてるようですし」
「衣吹には学校があるだろ。それに懐いてないなら懐かせろ!」
「ほんと、無茶苦茶なんすから……」