「私は大丈夫よ。それより羽瑠ちゃんだけ?」
「あ……、うん。あたしも連れて来られちゃった人だから……」
助けに来たはずなのに捕まっちゃうなんて、あたしはとんだお荷物だ。
「羽瑠ちゃん、これ外せる?」
衣吹さんに言われた通り、背後で硬く結んであるロープを解こうと手をかけるけど……キツすぎで指が入らない。
押し込んだりして少しでも緩まるところがないかいろいろ試してみるけど……。
んん"……!
硬〜〜っ!
「羽瑠ちゃんがここにいるってことは、もうみんな知ってるの?」
「うん。衣吹さんの場所を特定しようと後藤さん達が探してる。今頃作戦練ってるんじゃないかな?」
「そっか……ごめんね。本を返しに行った帰りに捕まっちゃって……」
「ううん。衣吹さんが無事でよかった」