「……」
怒りで頭が狂いそうだ。
誰だ。
羽瑠にそんな事をした奴は……!
「羽瑠さん、多分お嬢を探しに出ています」
そう声を出したのは千葉だった。
「何か様子がおかしかったので止めたのですが……防犯カメラに映っているのなら羽瑠さんは俺達に内緒で外に出ています」
「無茶な事を……」
組長が頭を押さえ、深いため息をついた。
呆れ。怒り。懐疑。
いろんな感情が俺の中で渦を巻く。
ギリッと自分の手を握り締めれば、組長の淡々とした声が鼓膜を抜ける。
「神楽、落ち着け。殺気がダダ漏れだ」
「……」
「この顔見覚えあるか?」
「画質が悪い上に暗くて………ん?」
映像のある所で気になる部分を見つけた。
「後藤、さっきのもう1回頼む」
「はい」
再び流れる映像。
羽瑠が倒れて、シルバーのワンボックスが映り込む。