「よう、し……?」

「嬢ちゃんは俺達の家族だ。無論、家族になっても嬢ちゃんの意思は尊重する」

「……」


養子とか、家族とか、今はよくわかんない。

あたしが……これからどうするのかも……。



「もちろん、お父さんとお母さんは本当の両親で良い。口実だよ……羽瑠ちゃんの居場所を作る為の」


衣吹さんが眉毛を下げて、悲しそうに笑う。


「羽瑠ちゃんを守る為の口実。だって羽瑠ちゃん、そうでもしないとまたどっか行っちゃいそうだもん」

「……」


合ってるばっかりに反論はしない。

きっとあたしは、人がいないところを探して……人から逃げて……死んでいく。


そんな未来が見えている……。



「羽瑠ちゃん、ウチで一緒に暮らそ?」


この返事があってるかなんてわからないけど……。

あたしは小さく頷いた。