突然すぎて動揺が隠せない。
あたし……何かまずいこと、した?
「ど、どうして……?」
「……」
パッと顔を逸らした神楽さんは、言いにくそうに首の後ろに手をやる。
そして、そのまま口を開いた。
「羽瑠の声、他の奴等に聞かせたくねぇ」
ドキッとした。
あたし……そんなに声、出てた……?
そう思うと途端に羞恥心でいっぱいになる。
「絶対漏れてるだろ」
独り言のように呟いた神楽さんは、あたしの頭に手を回し、自分のもとへと抱き寄せた。
「番になるのはもう少し先な。2人っきりの時にたっぷり可愛がってやるから」
チュッとおでこにキスされて。
また胸がドキンと跳ねたんだ。
「……」
神楽さんの顔をジーッと見て、全然余裕だなって思った。
あたしなんてキスだけでこんなにドキドキしてるのに……。