「まるで組長に言われたから付き合ってるようなもんだ」

「え?付き合ってる!?」

「……嫌?」


あたしは頭をブンブンと思いっきり振った。

もちろん横に。


「付き合うんですか……?」

「だから嫌なの?」

「や、そうじゃなくて……急すぎて……頭が追いつかないっていうか……」


付き合ってる……ことになってるのかな?



「羽瑠」


優しく呼ばれ、ドキッとしたあたしはなぜか背筋を伸ばした。


「は、はいっ……!」


そんなあたしの行動が可笑しかったのか、神楽さんはクスクス笑い出す。



「さっきはタメ口だったのに」

「や、あ、あれは……感情が高ぶったと言いますか……」

「ん。そっか」


神楽さんの手があたしの頭を優しく撫でる。


それだけで身体がふわふわして、幸せを感じる。