「俺は組長を。桜夜組を……!」
「羽瑠に運命感じてんだろ?じゃあ羽瑠はどうするんだ。守らねぇのか?」
「……」
「俺もα。お前の気持ちはわかる。羽瑠もウチも守れるようになれよ。片方しか守れねぇ奴なんか俺の右腕じゃねえ」
「……」
組長を見てすごいと思った。
言葉は怖いけど核心を突いてる。
「今までの話を踏まえてもう1度聞く。羽瑠のボディガード辞めるか?」
「……」
「……」
「…………続けさせてください」
スッと頭を下げる神楽さん。
綺麗なほどの直角に、思わず息を飲む。
「期待してるぞ」
その言葉を残して去って行く組長。
神楽さんは組長の姿が見えなくなるまで頭をずっと下げていたんだ。
「かっこわる……」
「え?」
独り言のように呟いた神楽さんに、“どうして?”の意味も込めて聞き返した。