黙るあたしを見て、神楽さんは全てを悟ったんだろう。

背中を隠すようにあたしの前に座った。



「びっくりした?」

「す、少し……」

「……」

「……」



思い出せば桐龍組の人が後をつけてたり、殴り殴られ、刃物が出てくるほどの危険な世界だった。

神楽さんの背中の桜を見て、やっぱりそっちの人なんだなって……。


改めて実感したんだ。



「……悪いな。姐さんに包帯替えてもらってそのままだった」

「いえ……あの、えっと……い、痛い……ですか?」

「別に。かすっただけだから」

「……」


あぁ。どうしよう。

神楽さんを心配して来たのに動揺が隠せない。


怖いってわけじゃない。


ただ……びっくりして……整理できてないだけ。