ひぃ……!


視線をどこに持っていけばいいのかわからなくて、足元に移動させると、神楽さんが覗き込んでくるからもう大変。


あり得ないくらい心臓が早く動く。



「お、お邪魔します……」


それから逃げるように自ら神楽さんの部屋に入ると、大人な雰囲気により一層ドキドキした。


物が少なく、とてもすっきりしててて。

かつシックでモノトーンな色合いが神楽さんっぽくてかっこいい。



「適当に座って」


そう言われて、椅子に座るのもベッドに座るのも気が引けるから、その場に座り込んだ。


そのタイミングで神楽さんの方に視線を持って行った瞬間。



ドッと心臓が大きく跳ねた。



「………」



初めて……見た……。


包帯で隠れてるところはあるけど、神楽さんの背中に綺麗な桜が咲いていたんだ。