裸足なんて関係ない。
ただ神楽さんが帰ってきてくれたことが嬉しくて。
そのまま抱きついた。
「あ、羽瑠。神楽さんの傷が……」
手を伸ばしてきた後藤さんに、神楽さんが阻止する。
「いい」
あ……。
そうは言っても神楽さんは怪我をしてる。
だからあたしはソッと離れて。
あたしより身長が高い神楽さんを見上げる。
「ずっとここにいたのか?」
「……神楽さんが心配で……」
「悪かったな」
神楽さんがあたしの頭を撫でた。
大きくて優しい手。
胸がキュッとなって、ドキドキとかふわふわとか。
身体中がキュンキュンしてるみたい。
「ん?何か甘い香りしないっすか?」
後藤さんの声に、たぶん、あたしと神楽さんと衣吹さんが同時に反応したと思う。