縁側が涼しいとわかったあたし達は、最近居間よりそっちで話すことが多くなった。
蝉の声を耳で聞き、空高く登り始めた入道雲をなんとなく眺める。
「ねぇ。笑いすぎ」
突然不機嫌な顔をする衣吹さんに、あたしはマヌケな声を出した。
「へ?」
ううん。
よく見たら照れ臭そうな表情だった。
そんな衣吹さんが、あたしの両頬をフニーと掴んだ。
「い、いひゃい」
衣吹さんと敦雅さんが仲直りをした上に、付き合っちゃってるんだもん。
喜ばすにはいられないよ。
「まぁ、それもこれも全部羽瑠ちゃんのお陰だから、感謝してるんだけどね」
衣吹さんの手がパッと離れ、あたしは少しジンジンする頬を撫でた。
「だけどどうして付き合ってること内緒にするの?」
「敦雅がね、そうしてくれって」