翌日。
自室にて、あたしは1人で頭を悩ませる。
うーん。
衣吹さんはあたしに真実を話してくれたから良いとして。
問題は敦雅さんだ。
強情っぱりだからなぁ……本音を話してくれるとは限らない。
どうやったら仲良くなれるだろうか……。
再びうーんと悩ませて。
“仲良く”と言うワードに、ふとあの日を思い出す。
『まだ、仲直りしないんですか?』
千葉さんが衣吹さんに言った言葉。
千葉さんなら何か知ってるかも。
そう思ったら、身体が勝手に千葉さんを探しに部屋を飛び出していた。
当てもなく廊下を走ってると、後藤さんが目の前から歩いて来るのが見えた。
「羽瑠〜走ったら怒られるぞ〜」
「あっ」
後藤さんの目の前で立ち止まり「ごめんなさい」と、頭を下げる。
「あの、千葉さん見ませんでした?」
「千葉なら喫煙所にいたけど」
喫煙所……!
バッと深く頭を下げてお礼を言ったあたしは、再び廊下を走り出す。