「神楽?どうして?」
「え?違うの?」
あたしはてっきり神楽さんだと思ってたから、予想外の展開に頭の中にあったアレコレが吹っ飛んでしまった。
「でもあの日……真っ先に神楽さんの所に……」
「あの日って?」
「流れ星を見た日……」
そこで何かに気付いたのか、衣吹さんはニヤリと意地悪な笑みを浮かべる。
「なるほどねぇ。やっぱり羽瑠ちゃん、神楽のこと好きだったんだ」
核心を突かれると、ぐわっと一気に熱を帯びるのがわかった。
「え、やっ、あの……」
クスクスと笑う衣吹さんを見れば、もう終わったも同然。
どんどん顔が熱くなってくる。
「大丈夫。羽瑠ちゃんの話してただけだから」
「え?あたし?!」
「そうだよー?」
何を話したのか気になったけど、衣吹さんが「話は戻るけど」って言って、言葉を切るから謎のままに終わった。
「あの流れは当てないと」
「う、あ……」
「私はてっきりわかってるのかと思ったよ」
「うぅ……」
立場逆転。
どんどん言葉を発する衣吹さんに対して、あたしはもう何も返せない。
聞けないかも。と、半分諦めかけた時、衣吹さんがベッと舌を出した。