頭をグルグルと回して話題を探す。
何か……何かないかな……。
心の中で、睦美さんに助けを求めた瞬間。
ふと、思い出した。
「睦美さんってギャップがすごいですね……?」
あのとき思ったこと。
普段あんなにおっとりしてるのに、あれは本当にびっくりした。
「羽瑠は見るの初めてなんだっけ。姐さんは、ああ見えて結構強いから。肝据わってるし」
神楽さんの言葉に驚かないあたしにびっくりした。
むしろ納得したくらい。
衣吹さんの強さ、かっこよさは、睦美さん譲りなんだなって。
「他、怪我してるとこねぇの?」
あたしの身体から怪我を探すように、神楽さんはコテンと首を傾げた。
ドキッ
前髪の間から覗く瞳が、綺麗で、吸い込まれそうで。
そんな瞳に真っ直ぐ見つめられると、またドキッと音を立てる。