「ねぇ……何があったのか、教えて?私も同じΩだもん……辛いのはよくわかる……」
暗闇の中、誰かがあたしを助けてくれた。
辛くて、しんどくて、身体が思うように動かなくて怖かった。
だけどその人はあたしのことを抱きしめてくれた。
“大丈夫”って、ずっと言ってくれてた。
そのとき感じた温もりが……似てる……。
「お父さん……あたしが、中学の頃に再婚して……むこうのお義母さんと、息子の4人で暮らしてた……」
声が震える。
……上手く、言葉にできてるか、わかんない。
だけど……この人ならって……。
「……そのお義母さん、あたしのこと、嫌ってて…………」
思い出せば怖くなる。
叩かれ、閉じ込められ……。
『どこでも好きな所にいきな。あんたはもう死んだことになってるから。2度とその顔見せないでちょうだい』
────捨てられた。