「あんな事したら両親が悲しむぞ」

「……」


何も答えない少女に深いため息を吐く。


「死にたいのか?」

「……」


小さく頷く少女に、またため息を吐く。


そこは反応するのか……。




「なぁ、嬢ちゃん。ウチに来ないか?」

「……」

「俺、こう言う者なんだ」


胸ポケットからスッと名刺を前に出す。


わかってはいたが受け取らない。

が、意外にも目線が上に上がった。



「その命、俺が貰った」







   ♢♦︎♢♦︎♢


後ろの席で俺の隣。

半ば強引だったが、素直に付いてきた少女は近くで見れば見るほど痩せ細っている。


飯……食ってんのか?



門の前で車が止まり、傘を持った子分がドアを開ける。

そして少女の存在に気付くなり一言。


「客っすか?」