どうしてキス擬きのようなことをしたのか。
ヒートじゃないあたしに触れてるのはどうしてなのか。
聞きたいことがたくさんあるのに。
「んっ……」
頭の中がジンジンと痺れる感覚に、ギュッと神楽さんのスーツを掴んだ。
そうでもしないと意識がどっかに行ってしまいそうで。
堕ちちゃいそうで。
「ひぁんっ」
ビクンッと大きく反応してしまったところで、上にあがっていたパジャマが下ろされる。
そしてあたしの両肩をポンッと優しく叩いた。
「はい、終わり」
え……。
キョトンとしていると、神楽さんは指先であたしの頬を撫でた。
「何?まだやりたかった?」
「え、やっ、違います……!」
「そ。じゃあもう寝な」
あたしの頭を撫でる神楽さんが、優しく微笑む。
だから、素直に言うことを聞いて布団の中に入り込んだ。
「神楽さんは寝ないんですか?」
「ん?寝るよ。羽瑠がうなされなかったら」
「うっ……」
言葉に詰まれば神楽さんがハハッと軽く笑った。
そして、またあたしの頭を撫でる。