「神楽さんにとってあたしって……何なんですか?」


震える唇で、思いのまま伝えた。

震えるのは唇だけじゃないと思う、けど。



「叶うのなら、消えてしまった温もりを……もう1度……ください……」


ドキドキと、飛び出すんじゃないかってくらい激しく動く心臓。


自分で言ったくせに居た堪れなくなって離れようとすると、あたしより先に顎にあった手が離れ。

そのまま口を隠すように塞がれた。




───チュッ



えっ、



ドキンと心臓が跳ねたのと、神楽さんの顔が近付いたのはほぼ同時。


あたしの唇を自分の手で覆ったまま、神楽さんは手の甲にキスをしたんだ。



すぐにそれは離れて。

あたしの心臓は今までにないくらいドキドキしている。



「やっぱ触られたんだろ」

「えっ……?」