……なんて。
それは全部、ヒートになったあたしの熱を取るだけであって、触れることは絶対にない。
組長が『そばにいろ』と言えば一緒にいて。
『守れ』と言えば全力で助ける。
きっと『もう十分だ』と言えば、最も簡単に離れていく。
それ以上でもそれ以下でも無い関係。
神楽さんにとってあたしって……何なんだろう。
「何でそんな顔してんの……?」
「……何でも……ない、です……」
逃げるように顔を逸らしたら。
「羽瑠」
グイッと顎の辺りを掴まれて、強制的に視線が重なる。
前髪の間から見える切れ長の瞳。
スッと整った鼻筋に薄い唇。
そんな綺麗な顔に真っ直ぐ見つめられればドキドキする。
やっぱり神楽さんのことが好きなんだって、身体中が叫んでる。