会話をする2人を見つめていると、後藤さんの視線がこっちを向いた。
「羽瑠、もう大丈夫?」
「え、あ……はい」
頭を下げようとして途中で止める。
そして。
「あ、あのっ……ありがとうございました!」
お礼を言ったところで頭を深く下げる。
「え、ん?何が?」
「お前が防犯カメラに侵入した事話した」
「あぁ」と言って、納得した後藤さんはニッコリと微笑む。
「データもバックアップ取ってるから、何かあったらあいつ等脅せるよ。性暴力とかで突き出すこともできる」
いや、言ってること怖いからっ……!
今ならそのバチバチのピアスと金髪が、見た目の怖さとマッチする。
「まぁ、それくらい安心していいよって言いたいだけだから」
後藤さんの手があたしの頭めがけて伸びてきた時、パシッと神楽さんに弾き返された。