「自分のやるべき事をしっかり理解して、2度とこんなことが無いようにしろ。俺が言えるのはそれだけだ」


神楽さんと敦雅さんがスッと頭を下げた。

それがあまりにも綺麗で、いつもこんな感じなのかなって。


だから、真似をするようにあたしも頭を下げた。





「失礼します」


1番始めに立ち上がったのは敦雅さん。

部屋を出る前にもう一度礼をして、廊下の方へと消えて行く。



こんな真面目な敦雅さん初めて見たかも……。

って、そんなこと今はどうでも良くて。


あたしも部屋に戻ろう。



ゆっくりと立ち上がった瞬間、

「神楽」

と、呼ばれる声が聞こえたかと思ったら。


突然、神楽さんに腕を掴まれた。



えっ……。


ドキッと一度だけ心臓が跳ねる。