頭の中、ぐちゃぐちゃ……。


来てほしくないのに来てほしい。



「うっ……や……ぁ……」


熱い……。

身体が熱い、よ……。



朦朧(もうろう)とする意識の中、バタバタと足音が近づいてくるのが聞こえた。



「神楽ぁ!意識はあるか!?」

「ん……なんとか……」

「きゃあっ……!ちょっ、何してるの!?」


男の人と女の人の声……。

また、人が増えた……。


目を開けてびっくり。


初めに入ってきた男の人の手から血が流れていた。

真っ赤に染まる手。



「あ……やっ……あた、し……」


“また、何かやってしまった”


そう思うと血の気が引いていき、お義母さんの顔が脳裏に浮かぶ。


『いい加減にしてちょうだい!顔を見せないでって何回言えば気がすむの!』

『ほんと気持ち悪い子』